2012年09月30日

台風の中「真珠の耳飾りの少女」を見に行ってきました。

 台風でJRの芦屋・尼崎間が不通になってしまい大阪に行く予定が潰れてしまったので、代わりに神戸市立美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」に行ってきました。

オランダ芸術の中から有名な作品が来ているのですが、中でもトップスターとも言える「真珠の耳飾りの少女」が人気で連日沢山のお客さんが来ているそうなのですが、さすがに台風の今日は少ないだろうと踏んで行ってみました。
びしょ濡れになってねw。

 ただ濡れた甲斐があってお客さんはガラガラではないものの少なくて非常に見やすかったです。「真珠の~」は特別に部屋を作って手前で見るための仕切りと後ろから見るためのそれに分けるほどの体制を取っていたのですが、1分も待たずに見ることが出来ました(やった!)。思ったほど「真珠~」って大きな絵ではないんですね。この時期のオランダ芸術で共通している点らしいのですが背景が真っ黒のため「少女」にミステリアスな雰囲気があり、それが過度に意味深でないところが面白いな、というのが僕の感想です。

 全体の展示内容としては良い物だけを最低限持ってきたな、という感じで展覧会でありがちな絵と人の多さに途中で疲れる事はなく、非常に見やすくて良かったです(でも通常なら「真珠の~」で大行列となってここで疲れちゃうんでしょうねぇ)。

マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝へのリンク

 第一生命が特別協賛ということで女優の武井咲さんが「真珠の~」コスプレを。

カワイイ。

 カワイイと言えばブサカワイイ「笑う少年」がオススメ(念のためにこれは入り口にあったレプリカ)。

ちょっと渡部直美さん似w?  

Posted by 天野"kevin"達也 at 22:48Comments(0)展覧会

2012年09月28日

ポンジューススパークリング!


 オランジーナの日本上陸以来、果実ジュースのスパークリング商品が次々、とは言わないけれどそこそこ出てきました。まー味もそこそこだった訳なんですが、しかしオランジーナキラーになる商品が四国からやってきましたよ!我らがえひめ飲料が送り込むのは
「ポンジューススパークリング」
です!

 下手するとオリジナルのポンジュースよりも美味しくて飲みやすいかもしんない。ちょいスメやで!  

Posted by 天野"kevin"達也 at 18:05Comments(0)食べ物・飲み物

2012年09月27日

カントリーマウムアイスを食す

 ガンダムの話ばっかりするのもあれなので別の話を。ガリガリ君コーンポタージュ味でこの夏のアイス業界の話題をさらった赤城乳業が今度は不二家のカントリーマウムのアイスを発売したという情報を受けて買ってきました!早いところでは一昨日25日には店頭に並んでいたそうですが、僕の周辺では昨日の入荷だったようです(ちょうどAEONに行ったらこれを並べている最中)。


 先に食べた人のブログを見ているとハーゲンダッツの「クッキー&クリーム(オレオみたいなのが入っているアレ)」に近いという表現をしていましたがそれには納得。ただ、ハーゲンダッツと比べるとクッキーの粉が多いようです。食感もクッキー感が増した感じ。なかなかの美味ですよ。これにナッツを混ぜたらもっと美味しくなるんじゃないかな。今度はサーティーワンぽい味になりそうですがw。

  

Posted by 天野"kevin"達也 at 00:05Comments(0)食べ物・飲み物

2012年09月26日

ガンダムエース11月号ですよっ!

 先に謝っておきます。
ガンダムエース先月号、
紹介するの忘れていました!

もうねぇ、東京行ったりレーシック手術受けたりマラソンの練習したりと大変だったんですよぉ。で、今月はやります!やりますとも!




大和田秀樹先生はほんま、ネタが切れへんよな。同じことをやっているようでテクニックと視点を変えることで新たな笑いを起こしているのはさすがやとおもうわ。


谷和也先生もネタが切れない!そんなに大変なのか?ガンダムユニコーンの現場はっ!


虎哉孝征さんの「宇宙世紀英雄伝説」はドズルの元に精鋭が終結。シン・マツナガにシャア、ガトー、ノリス…この軍隊、人間関係めんどくさそう(苦笑)!

夏元雅人さんの「鉄のかん馬」とArk Perfomanceさんの「ジョニー・ライデンの帰還」が今号特におもろかったなぁ。前後のストーリーから説明しないと面白さを伝えられないのでどこがどうとは言いにくいんだけど。なんかこう「盛り上がってきました!」感ていうの?

 それとガンダムのプラモオリジナルキャラをベースに漫画を描いている虎哉孝征先生とArk Perfomanceさんの対談も必見。仙台在住の虎哉さんは津波で家を流されたのですが跡地に行くとガンプラだけは見つかるという事が。被災されたことは知っていたんですが、鉄筋の建物に逃げていなければかなり危なかったのは初めて知りました。改めて虎哉さん、御無事で良かった。

 一昨日に引き続き「Gガンダム」!こちらは島本先生の漫画版だけどね。

シュバルツ「そんなことはどうでも
いいっ!」

「どうでもいいっ!」ってええっw?となる所だけど世界観とキャラがしっかりしていればこんな無茶な展開も許せちゃうんだよなぁ。

 ときた洸一先生の「ガンダムEXA」はこの後紹介する長谷川裕一先生の「クロスボーンガンダム」の世界へ。

シーブック(キンケドゥ)、トビア(カーティス)、レオスの共同戦線が行われるのか?

 そして長谷川先生の「クロスボーンガンダム・ゴースト」はVガンダムらしくて泣ける話!いやまじで泣いた!

Vガンダムで褐色萌えという悪い病気にかかったままのオイラはこのトレス・マレスちゃんから目を離すことが出来ない(はあはあ)!長谷川先生と言えば大人であっても女性を幼く傾向があるのに、トレスちゃんは珍しくおっぱいさん。それでも顔は幼さを残していますがw。

 泣けたのはこのシーン。ザンスカール帝国に潜入したカーティス(トビア)の仲間のスパイが捕らえられ、ギロチンへ。その首がカーティスの元に届けられて…という所なんですが。

今回はVガンダムのエッセンスが存分に込められていて大満足。新しいVガンダムのお話を見た気分なのです。この首のところは第36話「母よ大地にかえれ」とその他諸々に対するオマージュなんでしょうね。



さて最後は今号のオレ的MVP。トニーたけざきさんの
「パフェクトシオンク」ですっ!

セクシー!ハイヒール!
という訳でガンダムエース11月号は只今発売中です。650円だよ!  

Posted by 天野"kevin"達也 at 00:09Comments(0)ガンダムエース

2012年09月24日

VガンとGガンと逢坂さんと

 デアゴスティーニから「ガンダムパーフェクトファイル」が週刊で出ているのですが、この本、作中に出てくる細かいキャラクターにも焦点を当てるために特集本でも取り上げないような細かな資料が載せられたりするのでVガンダム好きの僕としてはなかなか油断できない本だったりするのです。



 47号はGガンダムをメインにプラスVガンダムがある構成。表紙がマスターガンダムとマスターアジア。あ、熱い(笑)!他にも「シャッフル同盟」やモビルファイター、第13回ガンダムファイトについての解説があるのでGガンファンには是非押さえて欲しい一冊です。



 ちなみにVガンダムはシャッコー(敵方のモビルスーツ)と「リガ・ミリティアのメンバー」について。これもまた細かな話があってアイドルのカラオケディスクの中に主人公側リガ・ミリティアが暗号文書を潜ませているというくだりがあるのですが、そのモニターに小さく映っていたアイドルの絵が(笑)。



 記念すべき50号はほぼVガンダム特集。表紙はV2アサルトバスターガンダムですし、ゾロ改、ウッソ、シャクティ、マチス一家、地球クリーン作戦、V計画の解説も(涙)。またマチス一家とはマニアック。敵方ザンスカール帝国が地球撤退を決めた際に取り残された部隊のリーダー格であるマチス・ワーカー大尉とその家族に焦点を当てているのですが、このマチス大尉とその家族はその他のアクの強いキャラクターと比べるとやや埋没してしまいVガンファンでもうっかり忘れてしまいがちなのですが、実際の戦場で起きそうな悲劇を描いた骨太で隠れた名作を担当している家族なのです(第39話・第40話)。



 マチス大尉が乗るゾロ改のコクピットには家族の集合写真が貼ってあるのですが、今回の「ガンダムパーフェクトファイル」にはその写真のために描かれた鉛筆画が載っているんです。これ、始めて見ました!そして絵のタッチからキャラクタデザインの逢坂浩司さんの手による物でほぼ間違いないと思います。子煩悩だった逢坂さんは自分の子供をモデルとしてVガンに出てくる子供たちを描いたそうで、このマチス・ワーカーとレーナ・ワーカーの間にいる二人の子供も逢坂さんのお子さんを分身だと思うとなんかしみじみしてしまうのです。



 そういえば本日(24日)は逢坂さんの命日でした。Vガンダム・Gガンダム・ヒヲウ戦記でキャラクターデザインを勤めた逢坂さんがどのような思いを持ってキャラクターを作成したのかVガンダムを未だに追いかける僕としては当然興味がありますし、彼が在籍していた大阪のアニメスタジオ「アニメアール」の吉田徹さんと七井コム斎さん経由で懇意にさせて頂いている事を考えると限りなく細い物ではありますが縁を感じてしまうのです。

 逢坂さんが作画監督を務めた回で是非見て欲しいのはGガンダム最終回「ゴッドガンダム大勝利!!希望の未来へレディ・ゴーッ!!」とVガンダム32話「ドッゴーラ激進」ですね。Gガン最終回は絵のクオリティと芝居のテンションが素晴らしく「これだけでいいじゃん!これでお腹一杯になるじゃん!」となる回なのです。まぁ「ラブラブ天驚拳」はLDの今川監督のよるライナーノーツによると南プロデューサーも逢坂さんもかなり嫌がったらしいそうですが。というかこの二人だけでなく現場そのものが揉めたとか(苦笑)。まぁかなり恥ずかしいものねぇ。でも恥ずかしいからあそこが記憶にハッキリ残っているわけでもありますし…。

 Vガン32話は前半はアニメアール出身らしく(どういう意味だ)お遊びも交えたコミカルな回なのですが、後半からは一転してシリアスになり戦死したオリファー・イノエの遺骨をまく所でのキャラクター達のお芝居は見事と言うしかありません。妻であるマーベット・フィンガーハットのまばたきだけで悲しさを表現した所は必見です。

 

 逢坂さんに感謝と合掌を。  

Posted by 天野"kevin"達也 at 23:19Comments(0)Vガンダム

2012年09月23日

ガンダムAGE最終回をうけて

 さて今日でガンダムAGEも最終回を迎えたわけです。「あれはない!あれはない!」とツイッターで突っ込みながら結局ほぼ全話見たことになります(苦笑)。多分見逃したのは2話くらいじゃないのかな?

 映画・アニメ・演劇と僕はそれなりに見てきた方だと思うのですが、その経験から言わせてもらうと物語って「ウソ」のカタマリじゃないですか(かなり思い切った表現ですが)。「いい話だな」と思っても時間をおいてから考え直すと矛盾点だとかありえないとかが当然ながらある訳です。それがあっても見ているときに何も思わないのは「その物語の世界観に気持ちよくひたれている」からだと思うのです。ガンダムAGEは三世代の物語がはじめにありきだったために、この「世界観に気持ちよくひたれる」ための時間的(尺の)余裕がまったくなかった事が敗因だったのではないかと思うのです。

 新キャラクターが出て、さぁこれから彼(彼女)の物語が盛り上がってくるぞ!と思ったら使い捨てのようにあっけなく死亡されたのでは感情移入もあったものじゃありません。使い捨てと言えばVガンダムの「シュラク隊」を思い出す人も多いと思うのですが、彼女たちには亡くなるまでのストーリーをきちんと事前に与えている事で視聴者に喪失感をきちんと味わわせている訳です。Vガンダムにおいてこの「死亡までの振り」を「死亡フラグ」として半ばギャグのように言われていますが、これがあるのとないとでは視聴者へ訴えるものが、さらには物語の重みがかなり違ってくるはずです(Vガンにおいてこれがやりすぎだったことは否定しませんが)。

 例えばAGEが三世代ではなく二世代だったり、三世代であっても登場キャラクターをほぼ固定、新シリーズで追加されるキャラを最低限に留めていればもう少し善戦出来たのではないか、と、たらればですが思ってしまうのです。

 ただガンダムAGEが当初狙っていた「子供層へのガンダム」というのはいい着眼点でした。歴代のガンダムシリーズも子供たちが見ていたわけですがそれは「大人のロボットアニメ」を「背伸びして見る」から面白い面があったと思うのです。まぁ、道に落ちているエロ本を見るような(笑)。Gガンダムはロボットアニメのおもしろさの原点に戻ってやった企画であったために子供向きと言えばたしかにそうなのでしょうが100%子供向けかと言われるとちょっと難しいですよねぇ。本当の意味で子供に向けるガンダムはまだやっていないに等しい状態なのです(SDガンダムもありましたが、あれは副産物)。同じサンライズ制作でライジンオー・ガンバルガー・ゴウザウラーという子供向け三作品があるのですがこんな感じのガンダムって見たいし、やれると思うんですが…。AGEの失敗で萎縮して欲しくないなぁ。

 それと違う畑からの才能の登用もこれで途切れることはやって欲しくないですね。特にガンダムはさんざんやりつくした結果、「アニメ村」の中から新しい発想が出てくる可能性が厳しくなっていると思います(ゼロとは決して言いませんが)。外部から頭脳を取り入れるのはガンダムを40周年・50周年とつなげるためにも絶対必要だと思います。ただAGEはちょっと任せすぎた所があったかなぁ。脚本はアニメ経験豊富な人にお任せしても…。

 個人的に一番願うのは製作チームの中でガンダムAGEを終わった物にするのではなく、きちんとこの失敗を次の作品にどう生かすのかという検証作業をやって欲しいのです。待っていますよ!楽しいアニメ!それがガンダムというタイトルじゃなくても!  

Posted by 天野"kevin"達也 at 23:46Comments(0)ガンダムネタ

2012年09月21日

めぐる88第三巻キタ!

 過去何度か紹介させて頂いた岡本一広先生(「ゼロの旧ザク」「トランスルーセント-彼女は半透明」)の最新作「めぐる88」の第三巻が届きました!四国八十八カ所(お遍路さん)を描いたこの作品、残念ながら連載終了となってしまい主人公達のお遍路さんは23番までで終わってしまいました。とは言えね、単行本でまとめて読むと面白いのよぉ。この漫画の良さを皆にもっと知って欲しい!



 あらすじは以下の感じですよ(一度僕が紹介した文をもう一度使っています)。 

 主人公友近太一はフリーター。友達がヤクザが絡んでいる消費者金融に借金をするが返済不能になったためにそのヤクザに足の骨を折られる。太一はその借金の連帯保証人になっていたために代わりに返済しなければならないのだが、ヤクザの親分が肺ガンで余命いくばくもない状態である事から運がいいのか悪いのか、借金を帳消しするかわりに回復祈願のために「お遍路さん」に、しかも「歩きで」行かされることになる。

 太一が歩き始めた頃、会社の課長との不倫関係を解消したことから退社した生名ハルカは軽い気持ちでお遍路さんを始めていた。寺の御茶屋で偶然出会う二人はなんとなく一緒に行動することになる。太一とハルカは行く先々でいろんな人と出会うことになるのだが…というお話です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 この「めぐる88」を読んでいると「お遍路さん」って自然の摂理に、さらに突き詰めると宇宙の真理につながるんじゃないかとふと思ってみたり。なんらかの形で復活希望!アスキー・メディアワークスからただいま発売中!600円です。

アマゾンの「めぐる88第一巻」
アマゾンの「めぐる88第二巻」
アマゾンの「めぐる88第三巻」  

Posted by 天野"kevin"達也 at 17:05Comments(0)ガンダムエース

2012年09月20日

Ultrabook買いましたのよ

 東芝のUltrabookのDynabook(ややこしい?)を購入しました。旅行先のホテルで結構暇することが多いのでiPadかMacbookAirかと迷ったのですがUltrabookを選択。そのUltrabookの中でもソニーのVAIOやDELLなど色々考えたのですが、最初からLANポートを搭載しているということでDynabookを選びました。



 R632というモデルなのですが、東芝の直販サイト限定モデルなのでお店で売られているモデルと比べるとキーボードの色が違います。

 先日、七井コム斎さんの「ガンダム講談会乙」にお邪魔したときに、カバンに入れて持ち運べるのか試してみたのですが重たさとか全く感じませんでした。ノートパソコンが1.12kg…凄い時代になったなぁ。

 ただ、むき出しの状態でカバンに入れるのも防水や防キズという面で不安なのでなにかいいものはないかとネットサーフィンしているととあるサイトで無印良品の「ジーンズのラベル素材で作った丸留め付き封筒・大」がいい!という情報を得たので早速購入。



 A4+アルファの余裕があるサイズ。ただ紙素材なので完全防水とはいきませんが、一応の保険くらいにはなるでしょう。


 話をR632に戻すとキーボードの押した感じは当然深くはないのですが、結構悪くはないですね。USBポートは3つもあるのでUSBハブを一緒に持ち運ぶ必要はないのでは。外付けDVDドライブはUSBポートを二つも使う商品があるのでこの点でもヨシ!ACアダプターも小型なのもヨシ!見た目は普通のノートパソコンですが細かな配慮がされている商品だと思いました。オススメ!  

Posted by 天野"kevin"達也 at 12:05Comments(0)その他

2012年09月19日

映画喫茶「紅鶴」です!

 さてさて今月はもう一回「映画喫茶白鯨」があります!スペシャル版としていつもの味園ビル内「なんば白鯨」ではなく姉妹店「なんば紅鶴」での開催!その名も「映画喫茶紅鶴」!9月23日(日)13時オープン、13時半開始。料金は¥1,500(1drink込み)です。



第一部は僕も含めていつもの映画喫茶白鯨のメンバーによる、「日本が誇るヒーロー」に関するプレゼンを。第二部は玩具プロデューサーの安斎レオさん劇団バンタムクラスステージ代表細川博司さんをゲストに迎えてのトークとなります。さてどんな話が飛び交うのか?こうご期待。

詳しくは以下のHPで
http://benitsuru.net/archives/3199  

Posted by 天野"kevin"達也 at 12:05Comments(0)映画

2012年09月17日

三連休は映画漬け

この三連休は特にやることがなかったので映画ばっかり見ていました(一部DVD込み)。という訳でその作品の感想を簡単に紹介

土曜日
○天地明察(映画館)

 公開初日。僕にしては珍しく原作を読んでからの鑑賞。中国伝来の暦を長期にわたって使い続けたために誤差が生じ、それを正そうと研究し日本独自の大和暦を成立した安井算哲(渋川春海)の約25年におよぶ物語。

 文庫版にして600ページ近い作品を2時間半の映画に滝田監督(「おくりびと」)、よくまとめたな、と思う一方でメインテーマである暦を作り上げていく作業にいまいち乗れない感じがしたのは残念。映画で描くには算哲の約25年は長すぎたのか?正直算哲の妻えんを演じる宮崎あおいさんの演技と可愛らしさに救われた面も否定できないと思う。余談だが原作ではこのえん、ツンデレキャラだったのだが、映画ではやわらかいキャラに変更されている。

 上巻の大部分を占めている日本各地で天体観測をする部分は思い切ってカットした方がよかったかもしれない。それと大和暦成立に向けて朝廷に対して政治的駆け引きをする所が原作にあったのだがそれが無くなっていたのは残念。ただ映画らしい良い締め方に変更されていたので完全には否定はしませんが。

 全日本プロレスの武藤敬司選手と徳井優さん(引っ越しのサカイ)が地味ながらも各エピソードをつなぐキャラクターとして登場。「スターウォーズ」のR2-D2とC-3POのような愛すべき役で良かった(武藤さんはR2-D2+チューバッカかな?)。

○ディクテーター 身元不明でニューヨーク(映画館)
 サシャ・バロン・コーエンの最新作。コーエン演じる北アフリカの独裁国家ワディアの独裁者が武力制裁を回避するために国連で演説する事になったのだが、ニューヨークに入った時点で部下がクーデターを実行。影武者を使って民主国家への転換を国連で発表させる。辛くも逃げ延びた独裁者は協力者と共に民主的な新憲法制定を阻止しようとたくらむのだが…というお話。イギリス出身のコーエンならではの独裁国家への強烈な皮肉はさすが。「金正日の思い出に捧ぐ」という所からスタートする所だけでもぶっとんでいるw。ただ独裁国家に対する皮肉に終わるだけでなくアメリカの現状に対する皮肉もしっかり用意されている所はさすがだ(これはおそらく「チャップリンの独裁者」に対するオマージュ)。

 11年前の出来事とはいえニューヨークで911テロをギャグにするという点はアメリカ映画界の懐の広さに拍手。下品な映画ではあるけれど奥の政治的テーマは骨太。結構オススメ。90分という見やすい上演時間でもありますし。

日曜日
○天使にラブソングを2(DVD)

 ネットレンタルしていたDVDで。かなり久しぶりに見る。映画としての出来は1だと思うが、音楽的な面白さは2。その音楽的楽しさが増しているのは1はソウル音楽がベースであるのに対して、2はゴスペル・ラップ・コーラスと多様化しているのもあると思う。若き日のローリン・ヒルとジェニファー・ラブ・ヒューイットが出ているのも注目(二人とも2000年代に入ってやや存在感が薄くなっているのが残念だが)。

 エンディングのマーヴィン・ゲイ&タミー・テレル版とダイアナ・ロス版のいいとこどりにアレンジしたAin't no mountain high enoughにはただただ涙。

○ひみつのアッコちゃん(映画館)
 予告編やフライヤーが出始めたときは「やっちゃったなー」感があったのだが、上映が始まると「そんなに悪くはないよ」的評価が見られたので映画館へ。変身できるコンパクトを手に入れたアッコちゃんは大人になり、ふとした縁から化粧品会社の「赤塚」にアルバイトとして働き始める。「赤塚」は業績が悪化していることから海外のファンドからの支援を受け入れようとしていたのだが…というお話でした。

 「アッコちゃん」という少女漫画原作ということで子供だまし的な話になるのかと思いきや、株主総会、株主の議決権の駆け引き、化粧品開発の苦悩等々、どちらかというと大人向けの内容に驚き。見る前のハードルが低かった事は強調しなければいけないが、それでもきちんと映画になっていました。原作漫画に縛られず設定だけを引き継ぎ新たなストーリーを作り上げたスタッフには拍手。ただその一方で子供向けでもなく、大人向けとも言い切れないこの映画がどの層に向けて作ったのか不安は残る面も。家族で見に行って全員で満足出来る作品では…ないですねぇ。

月曜日
○君も出世ができる(DVD)

 今日見たのが64年の東宝ミュージカル映画、フランキー堺・雪村いずみ・高島忠夫主演の「君も出世ができる」をDVDで。話には聞いていたけれど和製ミュージカルの傑作でした!メインテーマ曲と言ってもいい「アメリカでは」のセットの豪華さ、多数のサラリーマンをエキストラに使った「男いっぴき」等々、これだけ才能もお金も使われると「日本語でミュージカルは成立しない」とは言えないのです。

 ただクオリティの高さゆえに見ていてお腹一杯になってしまったのかラストへ向けての爽快感が薄く感じたのはちょっと残念。とはいえ映画好きなら一度は見て置くべき作品だと思いました。  

Posted by 天野"kevin"達也 at 20:34Comments(0)映画

2012年09月12日

映画喫茶白鯨、御来場感謝!


 さて昨日は映画喫茶白鯨でした。あらためて御来場のお客様、ありがとうございました!毎度のプレゼン企画「数字の映画2」は志穂美悦子さん主演の「女必殺拳・危機一発」が選ばれました。

イベントの様子はなんば白鯨のユーストリームで見ることが出来ます。
http://www.ustream.tv/recorded/25332412

前座トーク「わるナビ!」の様子はこちら。
http://www.ustream.tv/recorded/25332215

 ところで僕がプレゼンで、主演の舘ひろしによる主題歌がなんとも微妙、と紹介した「青い山脈88」は以下のYouTubeで聴くことができます。


 姉妹店「なんば紅鶴」では「ヒルマゲドン~特撮最前線~」をやっていましたよ。
  

Posted by 天野"kevin"達也 at 13:16Comments(0)映画

2012年09月10日

明日は映画喫茶白鯨です


 さて明日11日(火)はターンエー若林さん主宰の月一映画イベント「映画喫茶白鯨」でございますよ!なんば白鯨を会場に映画好きによる熱いダラダラトークをやります。見てきた映画を語る「宿題」のコーナーは「るろうに剣心」「プロメテウス」もしかすると「桐島、部活やめるってよ」もやるかもしれません。そしてプレゼンコーナーでは「数字の映画2」でございます。19時スタートとなっていますが、前説として若林さんと帝、さんのネットラジオ「わるナビ!」の収録があるので実質19時半開始になると思います。
http://hakugei.net/archives/4972

前回8月分の様子はコチラ。
http://www.ustream.tv/recorded/24678466

 そして映画喫茶白鯨のスペシャル版が!その名も「映画喫茶紅鶴」!なんば白鯨の姉妹店、なんば紅鶴で9月23日(日)、13時からです。こちらも是非!
  

Posted by 天野"kevin"達也 at 12:05Comments(2)映画

2012年09月09日

昨日は池袋でお芝居見ていました


写真にあるBobJack Theaterさんの「それはエデンの東か西」とバンタムクラスステージの「ルルドの森」を見て来ました。どちらも面白かったのです。面白さのベクトルはそれぞれ別の方向ですけどね。
  

Posted by 天野"kevin"達也 at 09:30Comments(0)演劇

2012年09月08日

94年5月号アニメージュのVガンダム特集・その4

 「94年5月号アニメージュのVガンダム特集」もこれで最後です。その4は再び斉藤良一さんに戻り特集の総括となっております。

○94年5月号アニメージュのVガンダム特集・その1
○94年5月号アニメージュのVガンダム特集・その2(庵野秀明監督)
○94年5月号アニメージュのVガンダム特集・その3(幾原邦彦監督)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 『Vガンダム』は現在のTVアニメにおいて、もっとも過激かつ、ラディカル(注)な娯楽作品であった。とりわけ終盤の、ルペ・シノ、ファラ、カテジナと続いた女性たちのキャラクタードラマは、狂気にも似た、異様なテンションの高さで、圧倒的な迫力であった。ドラマ全体をふりかえってみても、いちばん特徴的なのは女性たちの過剰なまでの“母性”の存在だった--というわけで、またかと言われる向きもあろうが、最後もまた女性たちの話で締めたい。それが『Vガンダム』でいちばんおもしろかった部分であるのも、確かなのだから--。

ラディカル:急進的な。

 男性支配の終焉と、それに代わる女性原理による社会の再生は、最近の富野作品(注)でよく使われるモチーフだが、今回は一歩すすんで、その女性原理のあり方をめぐって、話が展開しているように見えた。(男性キャラの影が、また一段と薄いのはそのためなのだろうか……)

最近の富野作品:時系列から見るとF91と小説「ガイア・ギア」「閃光のハサウェイ」の事なのか?「女性原理による社会の再生」という点でやや弱い気がするのだが…。

 『Vガンダム』では、母系制社会の復活によって、文明の再編を目指すマリア主義が登場し、これが作品全体に氾濫する“母性”のバックボーンとなっている。しかし、このマリア主義にはどこか空虚な感じがつきまとう。それはマリアが本当の子供を持たない抽象的な“母親”だったためではないだろうか?彼女の“母性”は実の子シャクティを棄て、(事情はあったにせよ)現実の母親から“聖母”になったときにゆがんでしまったのではないか。現実の子育ての、痛みも苦労も喜びも、伴わない母性愛など、自己満足かマスターベーションでしかない。それはウッソの“母親”になろうとして、はたせなかったルペ・シノやファラも同じなのではないだろうか?

 この実体を持たない“母性”の間にあって、唯一、現実にカルルマンという子どもを育てているのがシャクティなのだ。彼女はその“子育て”という具体的な行動で、観念でしかないマリア主義を否定する。本当に人間を変えることができるのは空虚な言葉ではなく、現実に足をつけた生き方そのものであることを、身を持って証明するのだ。


 虚の“母性”である女王マリア。それに対するのが、現実にカルルマンを育てているシャクティだとすれば、“母性”そのものを否定するのがカテジナである。

 先の庵野さんの取材にもある通り、他の女性たちが、ウッソの母親になろうとするなかで、カテジナだけがウッソを避けようとする。それはもし彼女がウッソの愛情を受け入れてしまえば、ウッソがずっと年下である以上、カテジナは必然的にウッソの“母親”になってしまうからだ。彼女が“母親”になることを嫌うのには、さまざまな理由があるだろうが、やはり家族というものに対する嫌悪感、特に、男と遊んでいた、自分の母親への憎しみが根底にあるのはまちがいない。

 つまりシャクティとカテジナはともに母親に棄てられた(カテジナの場合は精神的に)という点で、実は共通する過去を持っているのだが、そのたどった道筋はまったく違うものになっていく。

 最終回のエピローグ。カテジナとシャクティの出会う場に、カルルマンが居あわせるのは、実に象徴的だ。なぜならカルルマンは、カテジナが棄てた子どもであるからだ。思いかえしてほしい。ウーイッグの爆撃で、母親を失ったカルルマンをひろい、カサレリアへ連れてきたのはカテジナだったのだ。しかし彼女はその世話をわずらわしがり、結局カルルマンをシャクティに押しつけて去ってしまった。カテジナはあのとき既に、“母性”を否定し、意識することなく自らも“子捨て”を繰り返してしまった。それが彼女の悲劇の始まりだったのか知れない。

 最後に少し余談めくが、考えついたことをひと言つけ加えたい。富野監督にとって“人間を描く”ということは、イコール“セックスを描く”ということなのではないだろうか。むろん極論ではあるが、それくらい富野作品において、セックスは重要な位置を占めている。もちろん、この場合の“セックス”とは行為のみを指すのではない。男が男であり、女が女である、そして人間は男と女で成り立っていて、誰も自分の性と、その意味するものを、無視して生きることは出来ない--そういうことである。あるいはそれこそが“人間の業”と呼ぶべきものであるかもしれない。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 斉藤良一さんによるこの文は以前紹介した庵野秀明監督による「母性を乗り越える少年の物語」の補足説明の意味合いがあり、また僕が書いた解説でも参考にさせて頂いたので、この「その4」ではこれ以上語る事が無くなってしまっているのですが、最後の「富野監督にとって『人間を描く』という事は『(性別という意味も込めての)セックスを描く』である。」という点は富野アニメだけに限った話ではなくあらゆる映像・舞台表現を語る上でも大事なポイントだと思います。

 アニメであっても実写であっても人間が演技する物を人間が見るわけで、描かれる世界がSFであったとしてもそこに自分と同じ物を感じる事が出来なければ見ている側は感情移入は出来ないし、描く側はドラマを生み出せないと思うのです。

 富野さんを語る上で「このキャラのおまんこ舐めれるのか?」というのがネタとしてよく登場します(「逆襲のシャア」のキャラクターデザイン、北爪宏幸さんに対して彼が描いたクエス・パラヤに対しての発言のようですが)。これは富野さんのエキセントリックな部分を象徴した発言として見られがちなのですが、「御飯を食べ、トイレで用を済ませ、お風呂に入る。そして好きな男性の前では濡らす事もある『生きた女性(人間)』としてきちんと表現出来ているのか?」という事が本来の意味なのでしょう。この話はどうしても「おまんこ」が前に飛び出してくるのでそこばかり強調されてしまいますが、富野さんの演出論を語る上でも、そして斉藤良一さんの説を裏付ける意味でも大切な物だと思います。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 ところでこのインタビュー&総括企画において庵野秀明監督と幾原邦彦監督が登場したというのはとても興味深いことなんです。庵野監督はこのインタビューから1年5ヶ月後の1995年に「新世紀エヴァンゲリオン」を、幾原監督はほぼ3年後の1997年に「少女革命ウテナ」を世に放ちます。

 ウッソ(嘘)へのオマージュということで逆に主人公にシンジ(真実)という名前を付けた庵野監督。彼がVガンダムをとことん研究した結果、「エヴァンゲリオン」が出来たことは有名ですね。Vガンダムの「訳の分からない事の面白さ」等の良いところは引き継ぎ、序盤でのつかみとして弱かった部分を綾波レイやアスカ等の可愛らしいキャラクターと、舞台を学園物にするということで補完した結果、ヒット作になれたと思うのです。また富野さんと同様にシリーズ終了後に庵野監督が鬱病になった事は、それだけ彼がこの作品に魂を入れた結果の反動とも言えますし、それだけの事をしたからこそ単なる「Vガンダム」のコピーに終わらず、オリジナルな作品に成り得たのではないでしょうか(病気のことなのでこうなることはあまり「良い」、とは言えないのですが…)。

 幾原監督が「Vガンダム」を熱心に見ていたとは僕にとって実に意外でした(優れたクリエーターは頭にインプットするために常に色んな物を見ているものではありましょうが)。「ウテナ」にある小演劇的世界、そして「訳の分からない事の面白さ」はどちらかというと富野監督よりも「うる星やつら2」「御先祖様万々歳」「天使のたまご」等々の押井守監督からの影響が大きいと思っていたからです。事実ネット等で調べてみると押井監督から影響を受けた発言があったようですし。ただ、幾原監督が影響を「受けたであろう」押井監督の作品達は特定の客層に向けて製作された劇場用作品、もしくはOVA作品で、一般のお客さんも見る機会があるTVシリーズではありません。当時「訳の分からない」作品をTVシリーズでやることに対してどのクリエーターも、プロデューサーも躊躇(ちゅうちょ)してたと推測できます。しかしそのような作品であってもTVシリーズでの開拓者として「Vガンダム」が、さらに興行的に「エヴァンゲリオン」がやれる事を証明した土壌があったからこそ幾原監督が「ウテナ」をやれた面は否定できないと思うのです。その意味では「ウテナ」は「エヴァ」のように直接的では無い物の、間接的には「Vガンダム」から影響を受けたと言えるでしょう。

 しかしここまで来ると「ウテナ」における「Vガンダム」の直接的な影響も探してみたくなるのですが、「エヴァ」が「Vガンダム」と「ウルトラマン」直系の比較的わかりやすい「息子」であるのに対し、「ウテナ」は押井守、富野由悠季、出崎統、J・A・シーザー等々と親が沢山いる複雑な家庭(苦笑)から生まれた「娘」という感じでルーツを探すのが非常に難しい!こればかりは幾原監督に直接聞くしかないのは残念な点ではあります。あ、でも姫宮アンシーのキャラクターとポジションはシャクティと似ているような…(妄想妄想)。  

Posted by 天野"kevin"達也 at 00:05Comments(0)Vガンダム

2012年09月07日

94年5月号アニメージュのVガンダム特集・その3

 さて半年も置いてしまいましたが「94年5月号アニメージュのVガンダム特集」の続きです。庵野秀明監督に続くのは「セーラームーン」「少女革命ウテナ」「輪るピングドラム」の幾原邦彦監督へのインタビューです。

○94年5月号アニメージュのVガンダム特集・その1
○94年5月号アニメージュのVガンダム特集・その2

 半年も置いてしまったのは幾原監督に関する資料が思ったより少ないことと、僕自身が監督の作品をほとんど見ていなかったからです(苦笑)。なんとかまとめまで仕上げましたが…。兎に角「見て下さい !」。
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勝利(ヴィクトリー)こそテーマ

 まず、『ヴィクトリー』というタイトルと、そして主題歌(注)を耳にしたときに、富野さんの、この作品に対するスタンスというか、覚悟を強く感じましたね。

主題歌:前期オープニングの「STAND UP TO THE VICTORY」の事。作詞は井荻麟(富野由悠季)。

  富野さんというと、あれだけ多くの作品を手がけ、そして業界でトップを走りつづけてきた方ですよね。その、クリエイターとしては、すでにかなりの高みに達した方が、今までのガンダムをチャラにして、新たに“ヴィクトリー”という名のガンダムを作ろうとしていることに驚きました。

 “ヴィクトリー”、つまり「勝つ」ということにキーワードを設定したところに、富野さんの力強い意志を感じたのです。

 僕自身が今アニメを作る立場に身をおいてみて、この業界に感じるのは、業界全体が長く暗いトンネルに入っちゃったようなムードなんです。でも、そのムードというのは、昨日や今日はじまったものじゃなくて、たぶん富野さんが最初の『ガンダム』をつくられた時、十数年前からあったものなのでしょう。富野さんはおそらく、誰よりも強くそのトンネルの暗さを感じていて、それを打破すべく最初の『ガンダム』をつくられた。そして今回の『ガンダム』でもそのスタンスは変わりなく、いや、これまで以上に強く昇華されていて、それが『ヴィクトリー』というタイトルに結実した。そう、感じましたね。

 もともと富野さんの作品は好きなんですよ。クリエイターとして、富野さんに対するあこがれは、今もありますね。僕はティーンエイジャーの頃、アニメというのは、原作の漫画家さんが全部作っていると思っていたんです。たとえば、『宇宙戦艦ヤマト』なら、松本零士さんが一人でやっていると思ってましたね(笑)。富野さんは僕らにとって、アニメーションもディレクターという立場の人がフィルムを作っているんだということを認識されてくれた(注)最初の人ですね。メディアに対する接し方もふくめてね。僕も富野さんがいなかったら、この業界入っていなかったかも知れない、と思います。富野さんの存在自体が、ぼくらの希望の星のようなところがあった。いろいろとタブーを打ち破ってきた人ですから。あれが許されるなら、オレたちだって(笑)ということを常に感じさせてくれる方なんです。


されてくれた:「させてくれた」の間違い?

 今、僕たちがつくっている作品が、受け手であるティーンエイジャーたちに、どの程度、志(こころざし)を与えているのかと考えると、あらためて富野さんの仕事の偉大さを痛感させられますね。少なくとも、僕の作品は、若い人たちがこの業界に切り込みたくなるような活力を与えているとは思えないんです。

 最後に、作品への個人的な感想を言わせてもらえれば、あのクジラの骨の話が良かったなあ……。あと、オデロには生き残ってほしかった(笑)。
(3月14日、東映動画近くの喫茶店にて談)


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 作品の評価は人それぞれにあるでしょうが、「Vガンダム」「Vガン」という言葉が定着し過ぎて一つの単語になっているために「ヴィクトリー」という意味を特に考える事が無くなっています。思い返すと「新しいガンダムは『Vガンダム』です。」と発表された時に「V」という文字は「コン・バトラーV」と「ボルテスV(これはファイブですが)」というサンライズ作品で、しかも70年代で使っているために少し格好悪さを僕は感じていました。それは富野監督も承知の上だったようで

今回、タイトルに「V(ヴィクトリー)ガンダム」なんて恥ずかしい名前をつけたのも、実はそこ(過去のガンダムシリーズと決別し、テレビアニメの原点に戻って楽しいロボット物にしたい)に関係してくるんです。
(93年ニュータイプ4月号での富野監督インタビューより)

と語っています。マニア寄りで高年齢化した作品になっていた「ガンダム」ではなく子供向け「テレビアニメ」としての原点回帰を目指して、そして幾原監督の指摘が正しければ富野監督がこの作品で「勝利」する意気込みという二つの意味での「ヴィクトリー」だったのではないでしょうか。
 
 しかしその「勝利」という強く高い意志を持っていただけに製作に対する横やり、結果の出ない視聴率、サンライズがバンダイの傘下に入ることを知らされていなかった事などから富野監督はシリーズ終了後に鬱病になってしまったのではないかと思うのです。

 幾原監督がこの当時(94年)「アニメ作品がティーンエイジャーたちにどの程度こころざしを与えているのか。」という危惧は今も継続、いやむしろ酷くなっているかもしれません。深夜アニメの登場で枠そのものは増えたように見えますが、それは結局一部のアニメファンだけに向けたものではないのか?実写、TV、映画といったすべての映像表現という枠で考えるとアニメは本当に新しい事が出来ているのか?サブカルチャーとしてもてはやされた事に甘えたままなのではないか?

 ディレクター(監督)としての富野さんから影響を受けた点も興味深いです。もちろんアニメクリエーターとして富野さんに影響を受けなかった人はいないと思うのですが、試写会で喋ったり、メディアに出てインタビューを受ける「宣伝マン」としての監督に影響を受けた点では幾原監督は希有な例じゃないのかな(幾原監督はメディアに出る時に髪の毛や服をヴィジュアル系バンドのようにして登場することで有名)。やはり監督の顔が見えるのと見えないとでは製作資金を集める点でも、お客さんを集める点でも、広告の面でもかなり違ってきますからね。

 後、最後に幾原監督があげた「クジラの骨の話」。これは第37話の「逆襲ツインラッド」の事だと思われます。今まで宇宙で住んでいたエリシャ・マルチナ姉妹が打ち上げられたクジラ達の骨から出る腐敗臭に怯える話で、地球に住むと言うことはクリーンルームのような環境下にあるスペースコロニーとは違うという事、そして海洋生物が大量死しているのは地球がそれだけ核汚染している状況である事を表現した深い回であります。



 その一方で、母親を亡くしたばかりのウッソを励ますためにオデロ達ホワイトアークの少年達は釣りをするのですが、ここでV2ガンダムにも釣りをさせます。戦闘兵器であるモビルスーツに他の用途をさせることは後のターンA(牛を運搬、洗濯機、壊れた橋のサポート等)にも通じる行為なのがなかなか興味深い点でもあるのです。

  

Posted by 天野"kevin"達也 at 01:05Comments(0)Vガンダム

2012年09月04日

ターンAから上流階級の作法を学ぶ

 さて日曜日は大阪ガンダム学会だった訳なのですが、今回は何故か携帯及びWIFIの電波が届かなかったために主催、七井コム斎さんによるユーストリーム配信が出来ませんでした。会場のなんば紅鶴が入っている味園ビルはどういう訳か電波を遮断する構造になっているために、むしろ今まで配信できた方が不思議なくらいなのですが(苦笑)。取り上げたのがG-SELECTIONのDVD-BOXパッケージにもなっていて、ファンの評価も高い第8話「ローラの牛」を含んでいただけに、その議論を見ていただけないのが残念。

 さて第7話「貴婦人修行」にてやむなく女装した主人公ロランが月の女王ディアナに拝謁した際に手に甲にキスをするのですが、これはロランが女性パイロット、ローラ・ローラとして紹介されている以上、女性同士のキスはおかしくないのか?とあるパネラーが疑問を投げかけてくれたのです。上流階級の礼儀やキスの習慣は日本人にはうといため、その時点では明確な答えを誰も持っていなかったのですが、調べてみると確かにおかしい事が解ってきました。



 参考資料として手っ取り早かったのがオードリー・ヘップバーン、グレゴリー・ペック主演の「ローマの休日」。この作品の冒頭でアン王女(ヘップバーン)の歓迎パーティーが行われていて、各国からの要人に挨拶するシーンがあるのですが、ここで要人達は(時代的に男性)全員ではない物のアン王女の手の甲にキスをするのに対して、お連れの奥さんは握手だけで終わっているんです。Googleで調べてみてもヨーロッパの社交界の儀礼に関する情報が乏しくて完全に断定することは出来ませんが、こういう場での同性間でのキスはちょっとありえない話のようです。

英語版ウィキペディアの「Hand-kissing」へのリンク



 これがいい加減な知識を元に描いていたのなら「良くわからんと書いたんだなー。」で済むのですが、そこは富野さんですからね!実は手の甲へのキスは「唇を触れるのではなく、した振り」をしないといけないそうです(確かに沢山の人に「ブチュー」とされればした方もされる方も衛生的に良くないです)。ロランのキスもよく見ると唇が手に触れないよう「寸止め」しているために、富野さんはきちんとした知識を持った上で「あえて」このシーンを描いているわけです。つまりディアナはロランに対して
「お前男やんけ(失笑)!」
と見切った上で手を出している訳ですな。それに対して自分が「女性」である事を忘れたロランはうっかりキスをしてしまうのです。
ロラン君残念!「貴婦人修行」した
意味ゼロ(笑)!


 ちなみにロラン=ローラということがバレバレなのは次々回の第9話「コレン、ガンダムと叫ぶ」でロランが会う人すべてが「お前ローラやろ!知ってるで(苦笑)!」と解っている前提で接しています。きちんとしたセリフとしては発していませんが演技の中にそういった行間を上手く隠しているのはさすが富野さんなのです。

 ちなみに余談ですがキスについて調べていると19世紀のオーストリアの劇作家、フランツ・グリルパルツァーが書いた「接吻」という詩が面白かったので紹介。

手の上なら尊敬のキス。
額の上なら友情のキス。
頬の上なら厚情のキス。
唇の上なら愛情のキス。
閉じた目の上なら憧憬のキス。
掌の上なら懇願のキス。
腕と首なら欲望のキス。

さてそのほかは、みな狂気の沙汰。

 「そのほか」ってドコなんだよ!という話なんですが(笑)、「尊敬のキス」というのは元ムーンレィスのロランにとってアクシデント的ではありましたがディアナに対しての当然の行為だったんでしょうね。ところで社交界では「尊敬のキス」でもこれがローマ・カトリックやマフィア(映画「ゴッドファーザー」シリーズ)の世界になると「服従のキス」の意味にもなるのがおもしろい。この場合だと同性間でもOKなんだとか(聖職者やマフィアのボスという位置から女性同士というのは考えにくいですが)。最終回でロランが年老いた(?)ディアナの隠遁生活に「付き従う」事を考えるとこの時のロランのキスは後の行動の暗示ともとれなくもない…いや、これは考え過ぎかな(笑)。

 まぁこういう事を「大阪ガンダム学会」では毎回話し合っている訳です。次回は10月7日、なんば白鯨での開催を予定しています。

  

Posted by 天野"kevin"達也 at 10:15Comments(0)ターンA

2012年09月02日

富野は俺たちをゲイにしてどうするんだ(笑)!

 さて本日は七井コム斎さん主催の「大阪ガンダム学会・ターンA研究会」でございますよ。取り上げるのは可愛いロラン・セアック君が女装してもっと可愛くなる第7話「貴婦人修行」と、表面的には牧歌的でありながら裏には軍隊と移民の業を描いた第8話「ローラの牛」を取り上げます。


はぁはぁ可愛いよローラ・ローラ…。
(冗談はともかく富野キャラのネーミングセンスの上手さは凄いですねぇ)

【第37回大阪ガンダム学会・第4回ターンAガンダム研究会】
第7話「貴婦人修行」・第8話「ローラの牛」

日時:9月2日(日) 16:00開場 16:30開会
場所:なんば紅鶴(大阪市中央区千日前2-3-9味園ビル2F)
会費:1500円(1ドリンク付)

コム斎さんが東京から駆けつけるので、もしかしたら開始が遅れる可能性があります。その場合はターンエー若林さんによる前説トークイベントをやる予定です。


の話もするかもよ(苦笑)。  

Posted by 天野"kevin"達也 at 00:16Comments(0)ターンA